犬の散歩のマナーの必要性

犬 リード
犬の散歩には、飼い主の義務として定められているものから、この社会で犬と暮らすものとして守るべきものまで、いくつかのマナーとルールがあります。

ほとんどの飼い主さんがルールに従い、マナーを守りながら生活をしていることでしょう。

しかし残念ながら、犬の散歩を見かけ、飼い主のマナーの悪さを感じる人は少なくありません。
一人でもマナーが悪い飼い主がいると、すべての犬の飼い主の印象が悪くなる原因になってしまいます。

マナーを守らない飼い主が増えれば、今まで犬連れOKだったカフェや公園などが利用禁止になってしまったり、マナーを守っている飼い主さんたちが肩身のせまい思いをしたりすることになりかねません。

社会に、地域に、犬と犬を家族にもつ私たちを歓迎してもらうためにもルールとマナーを守ることが大切です。

犬の散歩のマナー1.必要なもの

犬用リード 首輪
マナーを守るためにも必要な、犬の散歩の必需品を紹介します。
必需品は、愛犬との外出時いつでも持ち出せるよう、「お散歩バッグ」をつくり、その中にまとめて入れておくと安心です。
使い捨てのものは補充を忘れないようにしましょう。

犬につけるもの

  1. 首輪、ハーネス(または両方)
    犬のサイズに合ったものを装着しましょう。サイズが合わないと散歩中の脱走を招く恐れがあります。
  2. リード
    首輪またはハーネスにつなぎます。スタンダードなリードやリール式などがあります。犬の大きさに合わせて素材や太さを選びましょう。
  3. 鑑札(2種)
    畜犬登録時に発行される鑑札と、毎年の狂犬病接種後に受け取る注射済票(最新のもの)、2種類を首輪またはハーネスに装着します。
  4. 迷子札
    目視で確認できる迷子札をつけておきましょう。犬の名前、飼い主の電話番号や住所などを記載するのが一般的です。
  5. ライトや反射板
    日が暮れてからの散歩時には必ず装着しましょう。首輪タイプやハーネスにつけられるもの、反射板の付いたリードなどもあります。

持っていくもの

  1. 散歩バッグ
    お散歩グッズをまとめて入れられるバッグを一つつくりましょう。
    ウエストポーチやトートバッグなど、リードを持ちつつ、ビニール袋やペットシーツなどを取り出しやすい形状のものがおすすめです。

  2. 愛犬の飲み水兼、おしっこを洗い流す用です。
    容器はペットボトルでもOK。給水皿やシャワーキャップがついたボトルも売られています。
  3. うんち袋
    普通のビニール袋で問題ありません。もしにおい漏れが気になる場合は、におい漏れが防止できる専用ビニール袋を使用するとよいでしょう。
  4. ティッシュペーパーまたはトイレットペーパー
    排せつ物の拭き取りなど何かと必要な時があります。常に入れておくと安心です。
  5. ペットシーツまたは新聞紙
    路上にしてしまったおしっこを吸い込ませたり、うんちの体勢になったときに下に敷いたりして使います。
  6. おやつ
    上手に歩けたときのご褒美用、ほかの犬とすれ違うときに気を引く用、トレーニング中など、必要な場合には用意しましょう。常に新しいものと入れかえます。

犬の散歩のマナー2.トイレの処理

犬 トイレ 外
犬の散歩のマナー問題は糞尿問題ともいえます。

道ばたに放置されたうんちはもちろんですが、ほかの犬のおしっこシーンを見て気分がよくなることはあまりありません。また、愛犬のおしっこ時でもなんだか気まずい思いをした経験のある飼い主さんは多いのではないでしょうか。
散歩は毎日のことですし、正しくマナーを守って楽しみたいですよね。

生理現象である排せつの場所やタイミングで愛犬を責めることはできません。
理想でありベストなのは、「散歩をトイレタイムにしない」ことです。

それを前提に、散歩中にもよおした場合にはどのように処理をすればよいか、シミュレーションと準備をおこないましょう。

おしっこの処理

おしっこのあとには水をかけるといった処理の仕方が一般的なマナーとして浸透してきました。しかし、水をかけることで余計におしっこが広がってしまうのではないか、という疑問も。

そのようなこともあり、最近ではトイレシーツで吸い取るという方法が多く支持されるようになってきています。

お散歩バッグに2~3枚入れておくだけ、素早く簡単に処理できるのでおすすめです。
おしっこの量や回数が多い子にはマナーパンツの使用を検討しましょう。

うんちの処理

うんちは、土の上などでも絶対に放置せず、ティッシュでくるんだり、うんち袋に入れたりして持ち帰りましょう。

うんちがゆるい体質の子の場合、道路にこびりついてしまうことがあります。うんちを取りやすくするために水やティッシュ、手袋、トイレシーツなどを持ち歩き、ふんばる姿勢になったときにはお尻の下にペットシーツや新聞紙を敷いてみるなどの方法も試してみましょう。

持ち帰ったうんちの処理方法は、自治体によって違うことがあります。わからなければ、「住んでいる地域 ペットの糞 処理」などで検索し、住んでいる地域のルールを調べてみましょう。

燃えるごみとして出す自治体の場合は、うんち袋に入れ、漏れないようしっかり結びます。
トイレに流すよう決められている自治体では、拾う際に使用するティッシュは必ずトイレに流してもよい、水に溶けるタイプやトイレットペーパーを使いましょう。

犬の散歩のマナー3.歩き方

犬 散歩
犬の散歩にも、「よい」「悪い」があります。
よい散歩のさせ方をすれば、ケガや事故のようなトラブルを防止できます。

リードについて

リードは愛犬の命綱ともいわれています。オフリード、ノーリードは絶対にやめましょう。
犬を連れ、道路や公園を歩くときには必ずリードを着けるのがルールです。飼い主の義務として守りましょう。

リードの長さや対象体重などしっかり確認し、愛犬のサイズに合うものを使用してください。
リードは短く持ち、持ち手の輪の部分は自分の手首に通してから握ります。

リール式リードの場合、人がいないからといって伸ばしっぱなしにしないようにしましょう。長く伸ばして散歩していると、通行人やほかの犬に会ったときに、犬をコントロールできず思わぬトラブルを引き起こしてしまう可能性があります。

また、リール式の細いリードは、ほかの人から見えづらいため事故のリスクも高いです。気をつけましょう。

歩き方

犬はできるだけ歩道側を歩かせます。

ほかの犬とすれ違う時は、立ち止まる、端に寄る、犬と犬の間に飼い主が入るようにする、など工夫しましょう。

どうしても吠えたり飛びついたりしてしまう犬の場合は、すれ違うまで犬を座らせておく、おやつで気を引く、すれ違わないよう引き返したり迂回したりするなど、対策をとるとよいでしょう。

自転車で犬を散歩させるのはマナー違反であり大変危険です。やめましょう。

犬の散歩のマナー4.覚えさせておきたいしつけ

犬 しつけ
愛犬に覚えてもらうとお散歩がグッとラクに楽しくなるしつけを紹介します。

リーダーウォーク

愛犬とのお散歩はリーダーウォークがおすすめです。
引っ張り癖がついてしまった子にも有効です。

リーダーウォークのやりかた

飼い主さん主導で歩くお散歩方法です。リードは常にゆるんだ状態で歩きます。

愛犬が先へ先へと行き、リードがピンと張った状態になったら飼い主さんはストップ。愛犬が一歩でも戻り、リードが緩んだらまた歩き始めましょう。

ピンと張ったら止まる、を繰り返し、体の動きが制限されないリードが緩んだ状態が正しく、快適だと認識してもらいます。

また、リーダーウォークの練習をしていくと、犬が飼い主の動きを気にかけるようになり、アイコンタクトを取ってくるようになります。
アイコンタクトはほかのしつけの際にも役立つので、ぜひここで癖付けしておきたいですね。
犬 アイコンタクト

オスワリ、マテ

オスワリとマテはぜひ愛犬に習得してもらいたいしつけです。

とくに散歩中は、信号待ちやほかの犬とすれ違うとき、おしっこやうんちの処理中など、愛犬にオスワリやマテをしておいてほしいシーンが多くあります。

ほかの人や犬への飛びつき、道路への飛び出し、拾い食いなど、多くの危険や事故も避けることができるでしょう。

吠えさせない

ケガや事故、トラブルのきっかけになりやすい散歩中の吠えは、吠えの対象物を避ける、吠えの対象物より注目してくれるものを用意するなどして対策しましょう。

吠えの対象は、人や犬、自転車、バイク、車などそれぞれですが、吠える理由は恐怖や威嚇であったり、縄張り意識や飼い主さんを守っているつもりであったりします。

飼い主さんの呼ぶ声やおやつなど、愛犬の好きな物や興味のある物で注意をひきつけましょう。

まとめ

犬 リード
誰も不快にさせない、見かけた誰もが受け入れてくれるお散歩は、正しいマナーとルールを知ることからはじまります。守るべきマナーと定められたルールを知ったら、あとは実行するのみです! 
お散歩は愛犬にとって飼い主さんとの一大イベント。おたがいにとって毎日の楽しみとなるよう、マナーとルールを意識しましょう。